ギンガブログ~しつけのきほん~

プロのドッグトレーナーが伝える!しつけの大切なこと

回想録Ⅰ~階段が苦手なわんちゃんが段階を踏んで克服への階段を上る~

皆さんこんにちは。今回の記事は以前関わらせていただいたわんちゃんの実際の練習方法や成長過程を記事にしてみようと思います。具体的にどのような練習をしたかも書きますので参考にしてみてください。

f:id:GINGA1214:20190605102211j:plain

CASE1 階段の上り下りが苦手なわんちゃん

 

◆相談内容

その子は年齢が5歳、大型犬でした。

散歩途中に歩道橋があるのですが、階段の上り下りができないのでいつも遠回りをしないといけないし、片側二車線の交通量の多い道路なので安全面からも歩道橋を使いたいとのご相談でした。

◆わんちゃんの反応

実際その歩道橋にそのわんちゃんと行ってみると普通の道はルンルンで歩くのですが、階段の前に来ると急ブレーキ、頑として動こうとしません。

見た感じ、階段に対して怖さを感じているようでした。

怖さには種類があります。

実際に怖い思いをしたか、怖い思いはしていないがなんとなくイメージで怖がっているか。最初に階段を前にした時のこのわんちゃんの反応を見たとき、後者のパターンだと思いました。これは反応を見て判断するのですが、経験を積んでいけば判断がつくようになってきます。

◆第一段階

まずは階段に対する怖さを取り除くことから始めました。いきなり全部の段を上り下りしようとすると完全に逆効果になります。まずは一段ずつ、上っては褒め、下りては褒め…。時間をかけて取り組んでいきます。

私は使いませんが場合によってはおやつを使ってもよいでしょう。コツとしては普段はわんちゃんにわからないようにポケットなどに隠し持っておき、階段を上ったタイミングであげます。この時おやつで釣りながら上らせないようにしてください。

おやつを使うとスムーズに進むように見えますが、おやつに頼りすぎるとおやつが無いと言うことを聞かなくなってしまいます。

◆第二段階

少しずつ上れるようになってきたら徐々に段数を増やしていきます。ここも焦っていきなり増やさないようにします。

今回のわんちゃんの場合はこの段階がスムーズにいきました。もともと好奇心が旺盛なわんちゃんだったので階段に対する恐怖心が一気になくなり、普通の道同様、すいすい上り下りができるようになりました。

わんちゃんによってはこの段階で停滞し、トレーニングが進んでいるか不安になることもあります。が、焦ることが一番良くありません。

じっくりわんちゃんを観察し、根気強くトレーニングを続けていきます。

特に最初に書いた怖さの種類。何か嫌な経験を実際にしてしまったことが原因の場合。

この場合は時間がかかることが多いので、じっくり、時間をかけてトレーニングに取り組みます。

◆最終段階、最終結

ある程度の段数をストレスなくわんちゃんが上り下りできているなと感じたら、いよいよ最終段階、歩道橋に挑戦します。

第二段階で書きましたが、今回のわんちゃんの場合はスムーズでした。もともと人間でいう食わず嫌いのようなもので、一回体験してしまえばもうへっちゃら!

ルンルンで歩道橋を使えるようになりました。わんちゃんの笑顔を見れて嬉しかったですし、飼い主様にも喜んでいただけてトレーナー冥利に尽きました。

わんちゃんにとってもそうですが、トレーナーにとっても成功体験はとても大切です。

それを再認識させてくれる、そんなご依頼でした。

<